PROGRAMプログラム

極北求道監督

表現の極北に挑んだ監督たちの
初期作品から後期作品を特集

「井川耕一郎君は僕が早大シネマ研究会時代の後輩、一緒に大和屋竺さんの脚本集を編纂したり、映画美学校の講師を務めたり長い付き合いでした。『せなせなな』『ついのすみか』はシネ研時代に撮った8ミリ映画史上の傑作。『西みがき』は映画美学校時代の作品。

植岡喜晴さんは僕が出会った頃はすでに8ミリ大作『夢で逢いましょう』を撮り上げていた関西自主映画界の雄でした。それが上京後、どういうわけかシネ研の連中と意気投合、その流れで映画美学校の講師も務め、受講生と撮る映画は予算無視の大暴れ、『月へ行く』はそんな一本です。」

高橋洋

植岡喜晴 作品

眠れる森の吸血鬼

1978年|60分|8mm|監督・脚本:植岡喜晴

1927年アーカムの街では、連続女性殺人事件が発生。
恐怖に支配された街に悪魔祓い師=エクソシストが到着する。

9/19(月・祝)13:40

WONDER WALL

1980年|40分|8mm|監督・脚本:植岡喜晴

連続ヒョウタン強盗殺人事件の犯人と彼を追跡する警察の攻防に、植岡自身をモチーフとした映画監督のエピソードが交錯する。

9/19(月・祝)14:55

月へ行く

2000年|35分|監督:植岡喜晴 出演:遠山智子、加藤賢崇、戸田昌宏

豆腐屋の娘、柿の木坂ナオは、担任教師の小山に犯され妊娠して高校を休学中。一方、父親のテツゾウも、時を同じくして妻タマエに家出され、ナオとともに憂鬱な日日を送っていた。ナオは、空飛ぶ円盤のピンクの光線を浴びたので、お腹の子は宇宙人の子だと固く思いこんでいる。

9/19(月・祝)14:55

ヤクザと地底人間

2006年|18分|監督・脚本:植岡喜晴

地底に落下したヤクザの男とそこで出会った女が結ばれ、50年後、彼らの息子と娘が復讐のために立ち上がる。

9/19(月・祝)14:55

井川耕一郎 作品

ついのすみか

1986年|35分|監督・制作・脚本:井川耕一郎 
撮影:福本淳、井川耕一郎 出演:北沢典子、飯塚裕之、荻原かおる

姉が失踪し、残された男と夜毎逢瀬を重ねる妹。その熱っぽい、ざらざらとした感触が全身にゾクゾクと伝わる濃密な映画空間。凝視するカメラが捉える、女の髪、首、唇、舌、しぐさ、そして声のなまめかしさは、強烈なエロスとして見る者に迫ってくる。官能の世界が透徹された完成度の高い作品。1987年・第10回ぴあフィルムフェスティバル入選作。

9/17(土)16:20

せなせなな

1986年|65分| 監督・制作・脚本:井川耕一郎 出演:阿部優子、飯塚裕之、武井昭文、森本由美子

シナリオなしで撮影に入り、映像を繋げてナレーションを加え作品にしたてたと井川監督は言うが、当時同じシネ研部員だった高橋洋の証言では、なかなか映画を撮らなかった井川監督が初めて撮った本作はシネ研部員たちを驚嘆させたという。

9/17(土)15:00

西みがき

2006年|53分| 監督:井川耕一郎 出演:本間幸子、粕谷美枝、西口浩一郎

死んだ友人の西口が忘れられない粕谷は、西口の姉・幸子と出会う。西口について語り合うなかで深まる二人の関係にも、やがて亀裂が生まれていく。

9/17(土)16:20

高橋洋 作品

夜は千の目を持つ

1984年|40分|監督・脚本:高橋洋

高橋洋監督が早大シネマ研究会に所属していたころに発表した伝説の8ミリ作品。黒沢清監督曰く「一人の狂人が撮ったとしか思えない」作品。その中身、ぜひその目でお確かめください。

9/18(日)13:40

ハーケンクロイツの男

1986年|40分|監督・脚本:高橋洋

「オーソン・ウェルズの『ナチス追跡』は子供の頃から幾度も立ち返る基本的映画で、隠れ潜むナチやハンターたちへの憧れを無理やり練馬の島田元宅でやろうとした。グル・ダットの『紙の花』に熱狂し、人物の動きをソックリ真似た場面もある。」(高橋洋)

9/18(日)13:40

アメリカ刑事

2002年|10分| 監督・脚本:高橋洋 出演:浦井崇、安里麻里、大九明子

世界のアメリカ化を冷徹な眼差しで描く超低予算恐怖映画。ペキンパーさながらの殺戮を経て、椅子が軋むラストに到るその作劇に、見る者は過酷な現実を突きつけられ笑いが凍りつくだろう。

9/18(日)13:40