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上映作品 ―  日本怪談

邪願霊

邪願霊1988 年/日本/49 分/カラー/デジタル
監督:石井てるよし
構成・サウンド&ビジュアルデザイン:小中千昭
出演:石山一枝、佐藤恵美、梅原正樹、吉田照美、本田修一(友情出演)、水野晴朗(特別出演)

アイドルのプロモーション映像撮影中に奇怪な現象が頻発する。テレビ取材班はこの現象の真相究明に乗り出した。アイドル歌手の歌のテープに録音された幽霊の声。プロモーション映像の隅に写る奇怪な姿。80年代後半に制作されたこの心霊ドキュメンタリーは衝撃的な内容が当時話題となり、日本映画独自の幽霊表現へとつながった。

女優霊

女優霊1996年/日本/76分/カラー/35mm
監督・原案:中田秀夫 
脚本:高橋洋
出演者: 柳ユーレイ、白島靖代、石橋けい、大杉漣

映画監督M は自分が撮ったフィルムの中に、古い未現像フィルムを見つける。そこに映っていたのは、子どもの頃にテレビで見た幽霊。それをきっかけにM の周囲で奇怪な現象が起き始める。脚本家高橋洋が実際に幼少の頃にテレビで目撃した幽霊の映像体験が今作の基となった。『リング』の中田秀夫監督が放つ劇場デビュー作。

リング

リング1998年/日本/95分/カラー/35mm
監督:中田秀夫
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
製作:一瀬隆重
音楽:川井憲次
出演:松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀、竹内結子、松重豊、柳ユーレイ

いつのころからか世間で噂されはじめた呪いのビデオ。そのビデオを見た者は1週間後に死ぬという。このうわさを取材していたTVディレクターはそのビデオを見てしまう。呪いを解く方法はあるのか? 世界中を恐怖の底に叩き込んだジャパニーズ・ホラーのクラシックが霊的爆音でリバイバルする。

降霊

降霊1999年/日本/97分/カラー/35mm
監督・脚本:黒沢清
脚本:大石哲也
原作:マーク・マクシェーン
出演:役所広司、風吹ジュン、草なぎ剛、きたろう、岸部一徳、石田ひかり、哀川翔

霊が見える妻とそれを受け入れている夫。霊が見えるという点を除いて、ごく普通の夫婦生活を送っていたが、ある悲しい偶然から夫婦の生活が次第に恐怖に侵されていく。実際によく幽霊を見てしまう能力がある人たちから最もリアルな心霊表現と絶賛されている本作品は幽霊映画の決定版であり到達点でもある。

吸血鬼ゴケミドロ

吸血鬼ゴケミドロ1968年/日本/84分/カラー/35mm
監督:佐藤肇
脚本:高久進、小林久三
音楽:菊池俊輔
出演:吉田輝雄、佐藤友美、高橋昌也、高英男、金子信雄、加藤和夫、西本裕行、山本紀彦、キャシー・ホーラン

テロリストにハイジャックされた旅客機が山中で空飛ぶ円盤と遭遇、墜落する。乗客たちは一命を取り留めたかに思われたが、乗客の一人は空飛ぶ円盤の生物に身体を乗っ取られ、吸血鬼となって生き残った人々を襲っていくのだった。この宇宙からの脅威はやがて地球規模の災厄へと広がっていく…。

海魔陸を行く

海魔陸を行く1950 年/日本/53分/モノクロ/ 35mm
監督:伊賀山正徳
原作:今村貞男
脚本: 松崎六郎
ナレーション:徳川夢声

タコは陸にあがるという伝承が昔から残されている。この作品は陸にあがったタコが故郷の海に帰るまでの冒険をキャメラがとらえた驚異のドキュメンタリーである。タコの行く手には、クモやカマキリ、ヘビ、ウツボなど数々の危険が待ち構えていた。徳川夢声がタコの声を担当。タコの神秘の力は必見。

おらあカッパだ

おらあカッパだ1968年/日本/30分/カラー/16mm
製作・特撮監督:大橋史典
監督・脚本:八束 基
制作:日米特撮映画
出演:保積ペペ、明石潮、仁礼功太郎

日米特撮株式会社の大橋史典は『用心棒』など黒澤明作品の出演者としても知られるが、京都にアトリエを構えて「マグマ大使」「怪獣王子」「アゴン」「恐竜怪鳥の伝説」などの造形作家として活躍した。この作品はテレビ局に売り込むためのパイロット版として制作したが、放送はされず幻の作品となっていた。

空気の無くなる日

空気の無くなる日1949年/日本/51分/白黒/35mm
原作:岩倉政治
監督:伊東寿恵男
キャスト:深見泰三、北島多恵子、花沢徳衛、原緋紗子、児童劇団「銀河座」
※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵

1910 年(明治43 年)、ハレー彗星が接近するその日5 分間だけ地球の空気が吸い取られてしまう!このうわさに恐怖した人々はその5 分間を耐えるためタイヤの空気チューブを買いに殺到した・・・。当時は、日本のみならず世界中でパニックが起きたという。その様子を驚異の特撮でリアルに映画化。

怪談せむし男

怪談せむし男1965年/日本/81分/モノクロ/35mm
監督:佐藤肇
脚本:高岩肇
撮影:西川庄衛
出演:西村晃、楠侑子、北村和夫、葉山葉子、弓恵子、加藤和夫、春川ますみ、(ナレーター・大平透)

急死した会社経営者は謎の洋館を保有していた。財産処理をしていた妻はそれを知るが、義父、霊媒師とその不気味な洋館に引き寄せられた人々は次々に怪奇な死を遂げる。洋館には何かが潜んでいた…。観る者の不安感を煽る奇抜な画面構図やキャメラワーク。観た後も心に引き摺る恐怖感。日本怪奇映画の傑作。